キミに出会うまで
翌日の金曜日、居酒屋でお腹を満たしてから、明日香先輩行きつけのバーで、また飲み始めた。


当然そこでは、私が部長に呼ばれた理由も話題になり。


私は消去法で選ばれただけだと伝えた。




「でもさ、ゆうにとっては転機になるかもよ」


「そうですよ優花先輩、手当も出るんだし、きっといいことありますよ」


ふたりはなぐさめてくれた。



「始まったらお世話になります」



ふたりにはきっと、頼ったり愚痴ったりすることになる。


ふたりには、新しいことがあると何でも話してきたから。




和真先輩は、今日来れなかったけど。


てっちゃんと私のことを知っている和真先輩も、私の味方だ。



「横浜支店のシステム部にいるなら、和真も知ってるかもしれないから、聞いてみるよ」




明日香先輩は、さりげなく細かい気配りができる人だ。


私にはそういうとこがないから、略奪できなかったのかも。



その日の夜、明日香先輩からLINEがきた。


『和真、森さんのこと知ってるって。


いかにもシステム部、って感じの、メガネが似合う人だって。


意地悪な人じゃないから、安心しなってさ』



よかった。


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