キミに出会うまで
優樹の言葉に、嘘はないと思った。


でも、私の気持ちはまだモヤモヤしていた。


「あ、あの・・・新しい彼女ができたんじゃないの?


ショートカットの小柄な女性と歩いてたって聞いたから」


「誰からそんなこと聞いた?」


「五十嵐くん」


「しょーがねーな、アイツ。


その人は、さっき話した中古家具店の人。


見かけたの、表参道だろ?」


「・・・うん、そう言ってた」


「俺は、誰とも付き合ってない。


離れてる間、優花のことしか考えてなかった」




そう言うと、ふわりと私のことを抱きしめた。


「優花、やせたな。


あんまり食べてないんだろ、俺のせい?」


「すごくショックだったから」




「優花、もう一度、俺と付き合って。


俺を信じて」




久しぶりの、優樹のにおい。


安心する、あったかい腕。



「優樹、ちっちゃいことで困らせて、ごめんなさい」


「ちっちゃいことじゃねーだろ、俺だって逆の立場なら耐えらんねーよ」










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