キミに出会うまで
ひとみちゃんたちの結婚式が始まった。


「ひとみちゃん、すごくきれいだね」


隣に立っている優樹にささやくと、


「うん、でも、この前ドレス試着してた優花の方がかわいい」


「ありがと」


優樹は、冷静な顔して甘い言葉をつぶやく天才だね。




私たち、結ばれるまでいろいろあったよね。


優樹と出会わなければ、私はズルズル不倫を続けてたかもしれない。


運命の人なんて、信じてなかったけど。


もう恋愛なんて絶対にしないって、思ってたけど。


優樹に出会って、お互いに変わって、いろいろ乗り越えて。



今なら、自信をもって言えるよ。


優樹に出会うまで、迷っていただけだって。



「フラワーシャワー、始まるぞ」


そっとつないでくれる、優樹の手。


もう絶対に、離さないから。




青空に、色とりどりの花びらが舞って。


右隣を見上げると、いつものように優樹がいて。


左手薬指には、おそろいの結婚指輪。



私たちふたりは、まだ始まったばかり。


出会えたことに感謝して、これからずっと手をつないでいこう。



○o。.fin.。o○





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