キミに出会うまで
私の想像通り、予約していたのは中華で。


お店の場所を知っている私が、森さんと一緒に向かって、部長は所用を済ませてから合流することになった。


会社を出る前、トイレで化粧直しをしてたら、


「ゆう、もしかして森さんとお食事?」


「優花先輩、仲直りのチャンスですよー」


明日香先輩とひとみちゃんが、いつのまにか背後でニヤニヤしてた。


「からかわないでください、部長も一緒だし、私は小籠包食べたくて行くんです」


「そのわりには、お化粧直しが念入りですけどねー」


「そんなことないって、なに言われるかわかんないから、きちんとしてるだけ」


「ゆうも頑張ったけど、森さんも協力してくれたんだから、ちゃんとお礼するんだよ」


前にも聞いたことのあるセリフだ。


「はい、わかりました」



バッグを持ってトイレを出たら、


「優花、遅い」


と、フキゲンな顔で森さんが立っていた。



「すみません」



余計なことを言わないように、気をつけないと。


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