キミに出会うまで
私は、気づいてしまった。



ふたりで話すと、意識しなくてもタメ口になっちゃうことに。


森さんが、私がプレゼントしたネクタイをしていることに。


そして、ネクタイをしてくれたことを、喜んでいる自分に。




だけど、この気持ちは恋愛じゃない。


男女間の友情だ。



だから、私は冷静に、


「ネクタイしてくれたんだ、ありがとう」


って、普通に言えたんだ。


「俺って、なんでも似合っちゃうからさー」


「そこまで褒めてないけど?


このネクタイ選んだ人、センスいいなー」


「センスいいよな。


このネクタイ選んでくれた人、俺と好みが合うんだ」



お互い、目があった。


違う違う、このドキドキは、恋愛じゃない。



「でしょー、センスいいってよく言われるんだ。


そうだ、今日のお昼どこで食べるのかなー、楽しみ」



強引に話を終わらせた。







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