気になるパラドクス
「村居さん。カエル好き?」
黒埼さんに声をかけられて、ハッとする。
いえ。別にカエルを好きなわけじゃありません。
黒埼さん。あなたの聞き方がおかしいでしょう?
世の中は広いから、確かに両生類を好きな女子がいると思うけど、全般的には好きじゃない人が多いと思うんだ。
私がフロッグすてっぷのカエルさんが好きで……。
いいえ、バラさないよ!
どーせ似合わないとか言われるし、思われるし!
キリッと表情を引き締めると、目を細めながら鼻で笑われた。
「これ、非売品だから。好きならあげようかと思ったんだけどなー?」
非売品? どこにも売ってないの?
可愛いのに……。
「冗談ですよ。はい」
キュポンとキャップを外し、放り投げられて慌ててキャッチした。
……もらってもいいの?
触れてみると、黄緑色のシリコン素材のカエルさん。お座りしてこっちを見てる。
いつ見ても癒される。
このすっとぼけた表情といい、コミカルな感じといい、やっぱり可愛い。
「……村居さんて、そういうのが好きなんですねー。知らなかった」
山本さんの呟きに、ここがどこか思い出して固まった。
「え……と、あの」
答えないとダメかな。
考えていたら、黒埼さんが色鉛筆でコツコツとテーブルを叩く。
「まぁ、いいだろ。それよりミーティング続けよう。あんたらの会社のミーティングルームって、時間制だろ」
スケッチブックのページをめくって、黒埼さんが私の目の前に白い猫足の椅子のイラストを差し出してきた。
「自分の部屋に置くとしたら、村居さんならこんな感じ?」
白い猫足の椅子は、背もたれが猫の形にくりぬかれている。
……見たことあるなぁ。見たことって言うか、違うパターンのがうちにあるよね。
うちにあるのは、お花の形に背もたれがくりぬかれている木製の椅子で、色は白じゃなくて、ピンクだけど……。
じゃあなくて!
「ミーティング続けて下さい! 私は他にも仕事があるんです!」
「あー……はいはい」
スケッチブックを見ながら、黒埼さんが上の空で頷いた。
それからは脱線することもなく、ミーティングを終えると、さくさく営業部に戻って書類整理を始める。
黒埼さんに声をかけられて、ハッとする。
いえ。別にカエルを好きなわけじゃありません。
黒埼さん。あなたの聞き方がおかしいでしょう?
世の中は広いから、確かに両生類を好きな女子がいると思うけど、全般的には好きじゃない人が多いと思うんだ。
私がフロッグすてっぷのカエルさんが好きで……。
いいえ、バラさないよ!
どーせ似合わないとか言われるし、思われるし!
キリッと表情を引き締めると、目を細めながら鼻で笑われた。
「これ、非売品だから。好きならあげようかと思ったんだけどなー?」
非売品? どこにも売ってないの?
可愛いのに……。
「冗談ですよ。はい」
キュポンとキャップを外し、放り投げられて慌ててキャッチした。
……もらってもいいの?
触れてみると、黄緑色のシリコン素材のカエルさん。お座りしてこっちを見てる。
いつ見ても癒される。
このすっとぼけた表情といい、コミカルな感じといい、やっぱり可愛い。
「……村居さんて、そういうのが好きなんですねー。知らなかった」
山本さんの呟きに、ここがどこか思い出して固まった。
「え……と、あの」
答えないとダメかな。
考えていたら、黒埼さんが色鉛筆でコツコツとテーブルを叩く。
「まぁ、いいだろ。それよりミーティング続けよう。あんたらの会社のミーティングルームって、時間制だろ」
スケッチブックのページをめくって、黒埼さんが私の目の前に白い猫足の椅子のイラストを差し出してきた。
「自分の部屋に置くとしたら、村居さんならこんな感じ?」
白い猫足の椅子は、背もたれが猫の形にくりぬかれている。
……見たことあるなぁ。見たことって言うか、違うパターンのがうちにあるよね。
うちにあるのは、お花の形に背もたれがくりぬかれている木製の椅子で、色は白じゃなくて、ピンクだけど……。
じゃあなくて!
「ミーティング続けて下さい! 私は他にも仕事があるんです!」
「あー……はいはい」
スケッチブックを見ながら、黒埼さんが上の空で頷いた。
それからは脱線することもなく、ミーティングを終えると、さくさく営業部に戻って書類整理を始める。