一目惚れの片想い
その夜


俺は、初めて鈴木さんのプライベート携帯に電話した

ドキドキした

「もしもし、鈴木さん…元気!?」

「はい、元気ですよ?
昼に会ったじゃないてすか!?
田中さんから電話って、初めてですね!
嬉しいです!」

「今日は、休みだったのに大変だったね」

「いえ、明日が振替休日になりましたから
今から、映画観に行こっかなって」

「え?鈴木さん…寝そう」

「田中さん…私もそこで、悩んでるの」

なんか、想像できて、笑えた

2人で笑った

「鈴木さん…うちにこない?
ちゃんと、話したいなって…
電話じゃ、鈴木さんがどうしてるか
わかんないから
迎えに行く!」

「それには、およびません!
うち、近くなんで、タクシー使いますよ」


近いってもんじゃない


なんせ、電話を切ってから

15分で来た


出掛けようとしていたにしても、早っ

この辺に土地勘ってゆうか、この辺に住んでるらしい


知らなかった…


手土産に、鈴木さんのお手製、玉子焼きと
酒類を買って来てくれた


「腹を割って話しましょう!!」



気合いの入った鈴木さんが、かわいい


なんだかんだ、酔っぱらい


「田中さん…私、初めてなので
        ……優しくして下さい」



鈴木さんとしてしまった


俺ごときに、一生懸命照れまくって


可愛すぎ



俺は、ちゃんと順番を守らなかったから


「鈴木さん!俺達、つき合おう!」

「田中さん… ごめんなさい
田中さんのこと好きだけど、つきあえません」



なんで?なんで?なんで?

びっくりなんだけど…


「鈴木さんの好きって、友達みたいなことだったの?」

「田中さんは、友達とこういうことするの?」

質問が質問で返された

鈴木さん…

腹割って下さい!!

訳わかりません!!


「えと?俺のこと好き
だけど、付き合うのは、嫌?」

「嫌だなんて!!むしろ、付き合いたかったですよ!」



俺の頭が正常なら、鈴木さんは、俺を好きと思ってくれている


なのに、なんでだあーーーーーーー!!



< 26 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop