ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜



大声を上げて泣きたい……。

「私のせいなの。ごめんなさい!」と謝って、この苦しさから逃れたい。


でも、私にはそれができない。

責められるのが怖いから。

敬太に嫌われるのが怖いから。


絵留のこと、卑怯者って言ったけれど、私の方が卑怯かも。


どうしよう……どうしたらいい?

誰か、教えてよ……。


ティッシュで涙を拭こうとして、ベッドの頭の方にある棚に手を伸ばした。


先に指先に触れたのは、ティッシュの箱ではなく、充電中のスマホ。


ベッドの上に身を起こす。

スマホを手に取り、LINE画面を開いて、敬太の名前を表示させた。


キャンプの日以降、ずっと連絡していない。

どんな言葉をかけていいのか、分からなかったから。


久しぶりに敬太に宛ててLINEメッセージを送ってみる。

慰めることも謝ることもできないので、『明日、学校に行く?』と、それだけなんだけど。


敬太は私のメッセージを読んでくれた。

既読のマークがついたすぐ後に、返事が返ってきた。


『行く』


たった2文字の返事に、ホッと息を吐き出した。

元気を出してなんて、私には言う資格がないと分かっているけれど、できるなら敬太には変わらない生活を送って欲しい。

笑顔を取り戻して欲しい。

時間はかかると思うけれどーーーー。


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