ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜
「こういうの、嫌なんだけど」
眉をハの字に傾けて、琴美が言った。
私と絵留たちが対立している状態が嫌だと言いたいんだと思ったんだけど、そうじゃないみたい。
琴美は私達の間に立っていた足を、一歩、絵留の方に寄せた。
「霞を仲間外れにしないように頑張ったけど、間に入って仲を取り持つのって、すごく疲れるんだよ?
もう私、ヤダよ。だから絵留と梨沙の方に付くことにする。
だって、ナニカのことを話したくないのは私も同じだし。
霞は敬太たちの方に行ってくれる?
男子とナニカの話題で盛り上がればいいと思うよ」
そんな……。
一年生の時から仲良くしてきた私達。
見たい映画とか好きな芸能人のこととか、意見が違って口喧嘩したこともあったけど、グループを分けようなんて冷たいことを言われたことはなかった。
いや……グループを分けるんじゃなくて、私に出て行けと言ってるのか……。