十八歳の花嫁
「ご、ごめんなさい。やっぱり、わたしには似合いませんよね? すぐに脱ぎます」
愛実は誤解したらしく、半泣きで藤臣に背中を向けた。
「違う! 違うんだ。そうじゃない……愛実、よく似合ってるよ。セクシーで、とっても可愛らしい」
藤臣は慌てて愛実を背後から抱きしめ、ささやいた。
「……いいんです。そんなムリして褒めてくださらなくても……」
「ムリなんかじゃない。その証拠に――」
藤臣はひと足先にシャワーを浴び、バスローブ姿だ。
そして、愛実の挑発に一発で昇天しそうな下半身を押し付ける。
「わかるだろう? ただでさえ魅力的なのに、これ以上いじめないでくれ」
「そんな……いじめてるつもりは」
「ただ、奥村が何を言ったかは知らないが、彼女と付き合いがあった間、こんなものを着てくれなんて頼んだ覚えはない」
「由佳さんとは楽しまなかったってこと? それとも、藤臣さんの趣味じゃないとか……」
藤臣はなんと答えたらいいのか迷う。
趣味じゃない、と言ってしまえば愛実のことだ。すぐに脱ぐと言い出すだろう。
それはそれで、残念な気がしてならない。
(そう……どうせなら、俺自身の手で……)
藤臣は咳払いをすると、
「奥村とも誰ともそんな楽しみ方をしたことはない。でも……君とは楽しみたい」
「た、楽しむって、どんなふうに?」
「そうだな……とりあえず、ベッドに行こう」
「キャッ!」
愛実を横抱きにして、彼女の額にキスをした。