十八歳の花嫁
そんな彼女の顔をみつめ、藤臣も柔らかく微笑んだ。
「だったら、俺もそうだよ。“君のため”と“君のせい”は違う。君のために、俺はどんなことでもしたいんだ」
窓から見える裏庭には隅々に白い雪が見えた。
こげ茶色に見える枝は、桜の木だという。東京ではちらほら見えた開花間近のつぼみが、まだ全然だ。開花時期は五月半ばというのだから当然だろう。
寒くて凍えるような冬を乗り越えて、やっとふたりで寄り添える春がきた。
結婚して半年、でも、夫婦としてのスタートラインは、今日、ここから……。
「藤臣さん、“ごめんなさい”はもう言わない。これからは“ありがとう”って言うから」
「……愛実」
「わたしのためにお仕事を休んでくれてありがとう。こうして、優しく迎えてくれてありがとう。とっても幸せよ」
藤臣はそっと愛実の唇にキスをした。
「ありがとう……愛実」
たくさんの感謝を胸に、ふたりの愛は、今、はじまった――。
~fin~
