双子の御曹司
「勝士さん、わざわざ迎えに行って頂いて、有難うございます。」
「大切な娘さんの入籍祝いなんだから、一緒にお祝いして貰いたくてね? さぁお祝いを始めよう?」
「竜仁、遥さん、結婚おめでとう。乾杯!」
「乾杯、おめでとう!」
お義父様のお祝いの言葉で始まり、皆から祝福される。
すると正装した稔くんが、「たっちゃん、遥ちゃん、結婚おめでとう御座います。」
お祝いの言葉と、ピンクのガーベラのブーケをプレゼントしてくれた。
「稔君、ありがとう。」
「遥ちゃんは、みぃちゃんと同じピンクが好きなんだよね?」
「覚えていてくれたんだ? ありがとう嬉しい。」
ギュッと稔君を抱きしめ、頬にキスをすると、竜仁さんが、
「俺だって知ってるよ! 遥が好きな色ぐらい。」
竜仁さんがポケットから取り出した、青い小さな箱には、マリッジリングがあった。
竜仁さんは1つ取り出し、見せてくれる。
リングには、ピンクダイヤが埋め込まれ、内側には、Ourlovewilllastforever と、刻まれていた。
竜仁さんは私の左手薬指に嵌め、「愛してる」と、指にキスを落とした。
そして私も、竜仁さんの薬指にリングを嵌め、「私も愛してる。」と囁く。
すると稔君が、「遥ちゃん、たっちゃんの事が嫌いになったら、僕のお嫁さんにしてあげるからね?」と、言い出した。
「えっ? ウフフ。 ありがとう。 その時はよろしくお願いします。」と、私が頭を下げると、皆が大笑いする。
でも、竜仁さんだけが笑っていない。
「稔、それは絶対ないから! ずっと、遥は俺の事嫌いにならないの!」
「そんなの分かんないじゃん! この前、遥ちゃんをいじめて泣かしたもん! ねぇママ?」
「そうね? 泣かしたわね?」
「おいおい、優理まで何言うんだよ? 遥のご両親が誤解するじゃないか?」
「竜仁君、遥をもう泣かしたのかな? 話が違うと思うけど?」
「えーお義父さん、違いますって…」
焦る竜仁さんをよそに、お父さんは稔君の前に屈む。
「こんな可愛いナイトがいてくれて、遥は幸せだな? 稔君、遥をよろしく頼むよ?」
稔君は胸を張って「はい!」と返事をした。
皆が大笑いすると、竜仁さんは「参ったなぁ…。」と頭を掻いている。