双子の御曹司
「遥、もう少し入院してたほうが良いんじゃないか?」
「もぅー、大丈夫だって! お医者さんも普通に生活して大丈夫って、言ってたでしょう!?」
「だけど、最初の予定だと入院は2週間って言ってたぞ!? まだ10日しか経ってない!」
「たっちゃん、予定はあくまで予定だよ!? 私の体はそれだけ丈夫なの!」
もう…心配し過ぎなんだから!
「私が入院してると、たっちゃん会社に行かないでしょ?」
竜仁さんは、事故の日から、ほとんど病室に居て、ここが専務室になっている。
溝口さんが、毎日書類を届けに来てくれていた。
本当、溝口さんにも、申し訳ない…
明日は新年の挨拶回りがあるはず、私が入院していては竜仁さんは、何かと理由をつけて、仕事に行かないだろう?
「ここでも仕事は出来るから、良いんだよ!」
ハァー…
私は大きなため息をつく。
「たっちゃん、ここは病院なの!? いつまでも元気になった人が居る所じゃないの! 元気になったらベットを空けないと、いけないんだよ?」
「……」
「仕事は、もう少し休むから、ね?」
「分かった。じゃ、退院の手続きしてくるよ?」
「よろしくお願いします。」
ハァー…
これで仕事に復帰するって言ったら、どうなるんだろう?
麗華ちゃんや佐野さんにも迷惑かけてるし、早く復帰したいけどなぁ…