双子の御曹司
彼女は自分なりの理論を持っていて、他人に何を言われようが気にしない。
「あー彼とは、もう別れた。」
あっけらかんと言う凪沙にちょっと戸惑う。
「そうなの?」
「うん。彼が来てる時に、奥さんが乗り込んで来てさぁ、オロオロしてる彼を見たら冷めちゃって…」
「えっ修羅場だったの?」
「修羅場ってほどじゃないよ? 奥さんが彼に殴りかかったから、うざくなって、夫婦げんかは家に帰ってからにして下さいって!言ったら帰っていった。」
この娘、ある意味凄いと思っていたけど、まさか、ここまで肝が座ってるとは思わなかった。
「そ、そうなの? で、マンションはどうするの? 彼に買ってもらったんでしょ?」
「うん。名義は私だし別に良いんじゃない? あれから何も言ってこないしね!」
あっけらかんと話す凪沙を呆然と見る私が可笑しかったのか?
「もぅ、あんたなんて顔してるの? こんな事よくある話じゃん!」と凪沙は爆笑してる。
いやいや、週刊紙やテレビでは聞くけど、身近では聞いた事ないし、普通驚くでしょうよ!?
「今はさぁ22歳の美容師と住んでるよ!」
「えっー!!」
「行きつけの美容院の男(こ)なんだけど、飲みに誘われて行ったら気が合っちゃって、お持ち帰りしたら、そのまま住み着いちゃった!」
「………」
「まぁ楽しいから、良いかなって感じ?」
「………」
まだ私には分からない世界です…