彼が嘘をついた
大学時代もモテた彼。
しかし隣に佐倉さんがいることで、彼に声をかける女性は減っていた。

そしてその頃には、隼人くんも佐倉さんの明るく社交的な性格に好感を持つようになっていた。
自然と一緒にいる時間が増える中で、彼女が佐倉食品の社長令嬢だと知る。
そして、それから彼女は隼人くんの前では隠していた自己チューな性格を出して行く。

二言目には、『パパは社長だから…』とか、『将来は、隼人も社長だね』などと言われる。

だけどその時、隼人くんは大学2年生の20歳になったばかり。
一般の男性は、まだ結婚なんて考える歳じゃない。
だから、佐倉さんから頻繁に"結婚"を意識した発言を聞く度に、隼人くんの気持ちは急激に冷めていった。
そして、別れの言葉を告げた。

それからも、佐倉さんから連絡は来たり、真由子に呼ばれて行くと佐倉さんが一緒だったり…はあったが、消して佐倉さんと2人になることはなかった。
そうするうちに佐倉さんからも連絡はなくなり、真由子も佐倉さんが一緒にいるときに、隼人くんを呼ぶことはなくなった。

恒例のバスケ大会。
佐倉食品と一緒なのは知っていたから、彼女がいても不思議はない。
だけど過去2年は、佐倉さんに会わなかったから、今年こんなふうに再会して、あんなふうに積極的に来られるなんて思ってもいなかった。




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