彼が嘘をついた
「…これが、俺と佐倉美幸の関係。
俺の中では5年も前に終わってることだし、そもそもちゃんと始まっていたのかも分からない。
だから、遥が気にすることはなにもない。
なにより今、俺が好きなのは、遥なんだから…」
佐倉さんとのことを聞いて、勝手にヤキモチを焼いて……それなのに、最後にこんなことを言われてしまったら、すごく嬉しい。
「私も…隼人くんのことが好きです」
素直に気持ちが言葉に出た。
…それに気付いたら、今度はすごく恥ずかしい。
…だけど、ちょっと気になることがあって、迷ったけど聞いてみることにした。
「…ねぇ隼人くん。
佐倉さんと結婚すれば、いわゆる"逆たま"じゃない?
よりを戻そう…とか、考えないの?」
すると彼は、ちょっと怒ったように言う。
「はぁ?
遥、お前、何言ってんの?そんなこと考えるわけないだろう!
"結婚"は、好きな人とするものだ!だから、今の俺がその相手を選ぶならお前しかいない。
…例えばお前が、"社長令嬢"でも、"すげー貧乏"でも関係ないから!」
そう一気に言った彼は、自分の発言に顔を赤くする。
そして、
「まぁ、俺はそう考えてるってこと。
それだけ、覚えておいてくれ」
…なんて言われたら、私まで顔が熱くなってしまった。
「うん…」と小さく頷くと、「良かった…」と嬉しそうに笑った彼。
「そろそろ戻るぞ」
そう言って手を引かれ、みんなの所へと戻った。