彼が嘘をついた
「良かったな、遥。
こんなに綺麗にしてもらえて…」
「ヒロくん…」
「少し早いけど、気持ちを落ち着かせるにはいいだろう。
そろそろ行こう」
ヒロくんがそう言って、私のジャケットを着せてバックを渡してくれる。
「あぁ。
今日のお代は、晃から前もって頂いているから大丈夫。
あと遥ちゃん。
すごく綺麗だから、自信を持ってね。
大樹くん、安全運転で行ってらっしゃい!」
和馬さんに見送られ、私とヒロくんはスターホテルへと向かった。
和馬さんに魔法をかけて綺麗にしてもらったけど、なんだか落ち着かない。
考えれば、お断りする前提で受けたお見合いだから、相手の人について、
『五十嵐デパートの御曹司』と言う以外、何も知らないんだった。
…一応、相手の写真と釣書くらい、もらっておけば良かったな。
そんなことを思っても、いまさらだけど…。
スターホテルに着いたのは12時10分。
約束より早いけど、すでにロビーに父と兄がいた。
2人共、ちゃんとスーツ姿だ。
…今ごろ気づいたが、ヒロくんまでスーツ姿だ。
「…さすがだな。
洋子叔母さんの見立てと、和馬の技術は…。
服も、髪型も、メイクも完璧だ!
あとは遥。お前の振る舞いだけだな」
私を見るなり、兄はこんな失礼なことを言う。
こんなに綺麗にしてもらえて…」
「ヒロくん…」
「少し早いけど、気持ちを落ち着かせるにはいいだろう。
そろそろ行こう」
ヒロくんがそう言って、私のジャケットを着せてバックを渡してくれる。
「あぁ。
今日のお代は、晃から前もって頂いているから大丈夫。
あと遥ちゃん。
すごく綺麗だから、自信を持ってね。
大樹くん、安全運転で行ってらっしゃい!」
和馬さんに見送られ、私とヒロくんはスターホテルへと向かった。
和馬さんに魔法をかけて綺麗にしてもらったけど、なんだか落ち着かない。
考えれば、お断りする前提で受けたお見合いだから、相手の人について、
『五十嵐デパートの御曹司』と言う以外、何も知らないんだった。
…一応、相手の写真と釣書くらい、もらっておけば良かったな。
そんなことを思っても、いまさらだけど…。
スターホテルに着いたのは12時10分。
約束より早いけど、すでにロビーに父と兄がいた。
2人共、ちゃんとスーツ姿だ。
…今ごろ気づいたが、ヒロくんまでスーツ姿だ。
「…さすがだな。
洋子叔母さんの見立てと、和馬の技術は…。
服も、髪型も、メイクも完璧だ!
あとは遥。お前の振る舞いだけだな」
私を見るなり、兄はこんな失礼なことを言う。