彼が嘘をついた
私は、最初の申し込みから途中変更·最終確認までの流れを一覧にしてFAXで送ってほしいとお願いして電話を切った。

隣の席の美鈴先輩が、怪訝な顔で私の話を聞いていたのが分かったから、
「…佐久間副工場長に頼まれたんです」
とだけ伝えた。
それだけで、美鈴先輩は分かってくれた。

そうして通常業務をしていると、受付の陽菜ちゃんから
「お弁当が届きました」
と連絡が入った。

「俺も行くよ」
と言ってくれた永瀬課長と美鈴先輩と3人で、お弁当を取りに行く。
給湯室のワゴンに乗せてもらい、
「課長、ありがとうございます。
あとは、私と遥でやるから大丈夫です」
美鈴先輩が課長に言い、
「…じゃあ、よろしく頼むよ」
課長はそう言ってオフィスへと戻って行った。

そして、正午を知らせるチャイムが鳴り、私と美鈴先輩はワゴンを押して会議室に向かった。
受付から、恵と陽菜ちゃんも来た。

「私と遥でお弁当を配るから、恵と陽菜はお茶の準備をよろしく!」
美鈴先輩が指示する。

「えっ…、…でも…。
お父さんが、私もお弁当…」
恵が言いかける。

彼女が"お父さん=大石部長"の名前を出すと、ややこしくなるのが目に見えているので、
「先輩!私が陽菜ちゃんとお茶の準備します。
…恵、お願いね」
私はそう言って、彼女にワゴンを渡した。





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