彼が嘘をついた
それは30年前の父も同じで…。
結局、母との間に"愛"などなかったのだろう。
私が2歳の時に離婚した。
ちなみに、孝志叔父さんと洋子叔母さんは恋愛結婚だ。
孝志叔父さんは"四つ葉フーズ"での父の友人だ。
父を介して出会い、恋に落ちた。
孝志叔父さんは仕事も出来たから、洋子叔母さんとの結婚も認められ、今も幸せに暮らしている。
…私から見ると、理想の夫婦である。

「…そういえば、大樹も遥も付き合っている人がいるそうだな」

父の問い掛けに、

「はい。
…だから、俺も遥も、お見合いはしませんから」

ヒロくんが毅然と答えた。

「遥の彼氏は、商品開発部の五十嵐くんだよ。
那須でも優秀だって有名だよ。
で、大樹の彼女は、同じ営業部の高野さん。
4人とも同期で、五十嵐くんと高野さんも従兄弟同士だよな」

兄の言葉に、私とヒロくんは頷いた。

しかし、良く知っているもんだ。
兄はもちろん、父も、孝志叔父さんも、社内の人物については良く知っている。
噂…ではなく、それだけでは分からない内面的なものまで。

「五十嵐くんは、私も優秀だと聞いている。
それに、しっかり自分の意見を言えるし、挨拶も出来る。
遥の結婚相手としては合格だな」
父が言うと、

「はい。
俺もそう思います」
兄もそう答える。





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