彼が嘘をついた
そんな状態の中、美鈴先輩に飲みにさそわれたのは、8月前半の金曜日。
メンバーは美鈴先輩·楓恋·陽菜ちゃん·私の庶務課の女子4人。

場所は総務部行きつけの居酒屋さん。
しっかり個室を予約してあり、私は楓恋に手を引かれて、奥の席に座らせられた。
隣には、もちろん楓恋。正面に美鈴先輩。先輩の隣に陽菜ちゃんだ。

「生3つに、カシオレ。
豆腐サラダ·枝豆·ポテト·ねぎまとつくねをタレで4本づつ、ミックスピザ。
とりあえず、それでいいね」
美鈴先輩が、まとめて注文してくれた。

飲み物が届いたところで、
「じゃあ、カンパイ」
と、4人でグラスを合わせた。

カシオレを1口飲んでテーブルに戻したところで、
「ねぇ遥。
五十嵐くんと、何があったの?
なんで避けているの?」

核心をついた質問をされた。
楓恋と陽菜ちゃんも、もちろん美鈴先輩も、最近の私の態度を心配してくれているのは分かっている。
だから、今日、美鈴先輩に誘われたとき、すべてを話して相談しようと決めていた。

『なんだ、そんなことなの』
と、恋愛経験のなさを笑われるかも知れない。
それでもいい。
五十嵐くんの行動と、私に芽生えた彼に対する想い。
もう自分だけでは、かなり持て余していた。



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