彼が嘘をついた
「楓恋と陽菜はどう?」

2人も、首を横に振りながら、
「無理です」
「私も、無理だと思います」
そう答えた。

それを聞いた先輩は、
「うん、そうだよね」と大きく頷いた。

「多分、それは、男の人でも同じだと思うよ」

「えっ…?…だったら」

「…だったら、なんで五十嵐くんは恋人のフリをして、遥のことを守っているのかな?
遥は、それをちゃんと五十嵐くんにに確認したことがある?」

「……………」
私は首を横に振る。

「彼が遥にキスしたのは、ちゃんと遥に気持ちがあるからじゃないの?
私はそう思うけど。
…そこは、しっかり遥が確認しないと、遥自身が前に進めないんじゃない?」

美鈴先輩に言われて気付いた。
…私、自分のことばかりで、五十嵐くんの気持ちなんて、少しも考えてなかった!

「先輩!
私、ずっと避けてしまったこと、五十嵐くんに謝ります」

そう宣言すると、

「そうね、それがいいと思う。
そして、ちゃんと遥の気持ちを伝えて、彼の気持ちを確認するのよ」

「はい…。
…頑張って、みます」

そう言うと、先輩も楓恋も陽菜ちゃんも、優しく微笑んでくれた。

「よし!
じゃあゆっくり飲みながら、次は楓恋と陽菜の恋バナでも聞こうか!」

先輩がそう言って、日付が変わるまで4人で楽しく飲んだ。




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