オトナチック
「またその話か…」

杉下くんはやれやれと言うように息を吐いた。

「顔も見たくない」

一言だけそう言うと、杉下くんは口を閉じた。

「今は植物状態だけど、いつ死ぬのかわからないんだよ?

昨日のおばあさんみたいなことがお父さんにも起こるかも知れないんだよ?」

そう言った私に、
「ばあちゃんとあいつは関係ないだろ!」

杉下くんは怒鳴った。

「あいつは他の女と浮気したうえに、俺と母親を捨てて逃げたんだ!

“杉下”だって、ばあちゃんの名前だ。

俺とあいつは関係ない!

あいつが死のうが何だろうが、俺は知らない!

そんなものはあいつの自業自得だ!」

「杉下くん!」

早口でまくし立てるように怒鳴っている杉下くんを止めるように、私は彼の名前を呼んだ。
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