オトナチック
また私たちの間に、沈黙が流れた。

今度は、
「――高浜」

杉下くんが沈黙を破った。

彼は私を見つめると、
「時間が欲しい」
と、言った。

「いつまで?」

そう聞いた私に、
「いつまで、って…」

杉下くんは困ったと言うように呟いた。

「だったら、今すぐ返事をして!」

強い口調で言った私に、
「今すぐは、ちょっと…」

杉下くんは手を額に当てた。

「私の告白の返事はいつになっても構わないわ。

でも今は、お父さんの余命にも深く関わっていることなの」

そう言った私に、杉下くんは口を閉じた。
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