オトナチック
未だに答えを言わない私に、
「最悪の場合、俺のことを殴って止めてくれればいいから」

杉下くんが言った。

「えっ…?」

な、殴る?

目が点になっているであろう私に、
「文句は言わない」

杉下くんが言った。

さすがに殴ってまで止めに行くほど、私は冷酷な人間ではない。

と言うか、私はサディストじゃないよ。

そう言うのは心の中だけにすることにした。

「わかった」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「一緒に行ってあげる」

そう言った私に、
「ありがとう、高浜」

杉下くんが笑ったので、私も一緒になって笑った。
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