オトナチック
「その…迷惑、だったよね?

勝手に冷蔵庫を漁られて、勝手にご飯を作っちゃって…」

そう言った私に、
「いや、いいよ」

杉下くんが言った。

「えっ?」

聞き返した私に、
「その…」

杉下くんは右手を後頭部に当てた。

「ちょっと、驚いたんだ。

家に帰ったとたん、炒飯のいい匂いがしたから…」

私が作っていたのは、ねぎとかにかまの炒飯とたまごのスープである。

「と言うか、ばあちゃん以外に家で料理をする人はいなかったから」

呟くように言った杉下くんに、
「ああ、そうだったんだ…」

私は言った。
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