オトナチック
ケーブルニットの編み目がかわいい白のタートルニットとブルーのスキニージーンズを選んだ。

これにコートを羽織って、黒のパンプスを履けば完璧だ。

少し地味なような気もするけれど、これでいいか。

決めた服をたたんで枕元に置くと、
「高浜、風呂空いたぞ」

コンコンとドアをたたいた音がしたのと同時に、杉下くんの声が聞こえた。

「わかった」

私は返事をすると、バスタオルと下着とパジャマを持って部屋を後にした。

明日着て行く服も決まったことだし、後は杉下くんのおばあさんの前でボロを出さないように気をつけるだけだ。

ちゃんと杉下くんの婚約者を演じるんだぞ、私。

心の中でそう言い聞かせた後、バスルームへと足を向かわせた。
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