幸せのかけら





言ってから恥ずかしくなって、下を向く。


ーーー分かっていたはずなのに。
社会人にもなって、わがまま……








"………こっち向いて"


"ーーーちょっと待って"


今情けない顔出してしてる。
いやと拒否。





ぐいって顎をあげられ、レモンの香るキス。

驚き目が開く。

それと同時にさっきの嫉妬もあり、響の彼女は私だともっと感じたいとも思う。



一瞬離れたけど、抱きつき、響の首に腕を回し、私からもう1度口づけた。









"ーーーーーー甘いな"


はちみつの甘さが溶かされるような感覚。

何度か繰り返し、ぎゅっと抱き締めてくれた。





"ーーーごめん"

"何で謝る?"

"やきもち妬いちゃって……
でも、響の行動を制限したいわけじゃないから"


"ーーー分かってる、大丈夫だから"





トントンと背中を優しく、あやすように。


嬉しくなって、さらに抱きついた。







"ーーーーーー差し入れ、嬉しかった。
これからも不安なときも含めて、たくさん話して。
聞きたい"


"うん"






ご飯行くぞと、手を繋いで出る。






"……………あ、会ったらすぐ言おうと思ってたのに
忘れてた"


"何?"


"ーーーーーー愛、会いたかった"













真っ直ぐで優しい瞳。

ーーーーーー大学のときから変わらない。



"……………私も、会いたかった"








ーーーーーー明日からも、頑張れる。


しっかり充電できた時間でした。










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