幸せのかけら







昨日久しぶりに愛と過ごし、会っていなかった間の近況報告をした。


それと、愛はシフト制だからデートの日にちも前もって決めた。
ゴールデンウィークも予約済み。
仕事大変そうだけど、楽しそうにも見える。



ーーーそして、俺も。

研修は大変だけど、同期と過ごす時間。
研修が終われば、みんなバラバラだ。







"黒崎、昨日って彼女?"

"…………そうだけど"


"うわ、あっさり認めた。
彼女、めちゃめちゃ可愛いな"


"やらねーぞ"





席に着くとすぐに声をかけられた。

昨日フットサルを誘ってくれた奴。

まだ数週間だけど、同期の雰囲気は良い方だと思う。





"ーーーそんな心配すんなよ。
あんなキスシーン見せられたらな"


"なっ…………!!
見てたのかよ"


"たまたま。
最後事務の手続きしてたから。
昨日女子が何人か傷心してたぞ"


"ーーーそれについては、ノーコメントで"





ーーーーーー俺もそこまで鈍感ではない。

ちょっと距離が近いなとか、特別な感情を抱いてるかも、と思ったことはある。

でも俺には愛がいて。

同期は同期、ただそれだけ。






"罪深い男だねー"

"一途と言ってくれ"







同期と会話しながら、スマホを取り出す。


愛から、昨日のステーキ屋での写真が送られていた。








"ーーー頬緩んでる"

"うるさい。
研修始まるぞ"







ーーーーーー愛も、病院で頑張ってる。

離れていても、元気をくれる、寄り添える存在がいることに恥ずかしいけど、幸せを感じた。












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