黄金と四聖獣




真っ暗な洞窟を真っ直ぐ進んでいくと、



そんなに進まないうちに、シオン様とエーラが


立ち止まっていた。




そして、二人の目の前には、白く輝く



水晶の壁があった。




「…これは…?」


エーラは水晶の壁を見て、訝しげな顔をする。





「…この中に封印されてるってことかしら」


そう私もつぶやくように言うと、




シオン様は目を閉じて、そっと水晶の壁に


手を触れた。





洞窟中に張り詰めた空気が漂った。


私もエーラも、ただ黙ってシオン様のことを


見守った。





すると、すぐにシオン様は目を開けて


首を横に振った。




「ダメだ。水晶の石がいる。」


その言葉に私が、



「どうして、わかったんですか?」


と聞くと、シオン様はきょとんとした顔をして


から、首をかしげた。




「…なんで…だろうか?なんとなく、わかったんだ…」


とシオン様は言う。





「女将も言ってたように、シオン様だからわかるんでしょう」


と、エーラは言う。




「その水晶の石がいるのなら、探しに行きましょう」







< 121 / 418 >

この作品をシェア

pagetop