黄金と四聖獣
真っ暗な洞窟を真っ直ぐ進んでいくと、
そんなに進まないうちに、シオン様とエーラが
立ち止まっていた。
そして、二人の目の前には、白く輝く
水晶の壁があった。
「…これは…?」
エーラは水晶の壁を見て、訝しげな顔をする。
「…この中に封印されてるってことかしら」
そう私もつぶやくように言うと、
シオン様は目を閉じて、そっと水晶の壁に
手を触れた。
洞窟中に張り詰めた空気が漂った。
私もエーラも、ただ黙ってシオン様のことを
見守った。
すると、すぐにシオン様は目を開けて
首を横に振った。
「ダメだ。水晶の石がいる。」
その言葉に私が、
「どうして、わかったんですか?」
と聞くと、シオン様はきょとんとした顔をして
から、首をかしげた。
「…なんで…だろうか?なんとなく、わかったんだ…」
とシオン様は言う。
「女将も言ってたように、シオン様だからわかるんでしょう」
と、エーラは言う。
「その水晶の石がいるのなら、探しに行きましょう」