黄金と四聖獣
エーラの言葉に私たちは頷く。
やっぱり、封印を解くというのは簡単なこと
じゃなかった。
洞窟から出ると、祈るように待っている
女将さんの姿があった。
「すまない、女将。白虎の封印を解くには、水晶の石がいる。今はまだ、解いてやれない」
と、シオン様がいうと、女将さんは
青ざめた顔をした。
「それは、祠にある石のことですかい?」
女将さんの言葉に、シオン様は頷いた。
「私達がこれからそれを取ってくるから…」
「なりませぬ!!!」
シオン様の言葉を遮って、女将さんは言う。
「白虎様の祠の近くには、ここ最近賊がうろついておる、その賊は、こいつらとは比べ物にならないくらい強い。ついこの間、たった五人で国の書物を運ぶ商団を壊滅させた!」
五人で…?
国の商団なら、護衛もついているはずなのに…
「いくらあんた方でも無理だ!これはもう、あんたを試すために言ってるんじゃないんですぞ!」
その女将さんの言葉に、シオン様は笑った。
「わかっているよ。けれど私は麒麟なんだろう?ならば、白虎を助けなければ。どんなに危険な場所でも、白虎が苦しんでいるのなら私は行くよ。」