黄金と四聖獣
すると、エーラは唖然とした表情で
私を見つめていたが、やがて泣きそうな顔に
なっていった。
「こ…光栄の極みでございます。シオン様にそのような言葉を…」
私は内心ほっとしながら、微笑んで言った。
「返事は?」
「わたくしでよければ、喜んで」
エーラからの言葉を聞くと、
私は、じゃあ、と言って手を伸ばす。
「傷の手当をさせてくれ」
「それは別でございます。」
「え。」
即答でエーラに断られ、なぜだ、と言おうと
するが、そこで、近づいてくる足音がして
私は息をひそめる。
「…シオン様?」
そう言ったエーラに向かって、
口の前に人差し指を立てて合図すると、
エーラも足音に気付いて、息をひそめる。