黄金と四聖獣
…ある方…?
「それは、家族とかか?」
そう聞くと、フィアネは首を横に振った。
「私がお使えする主です。」
フィアネのその言葉を聞いて驚いた。
「君は誰かの従者なのか」
「はい」
…それなら、無理に連れ出すことも出来ないな
私はそう思うと、フィアネに言った
「それでは、残念だが一緒に来てもらえそうにないな」
「はい、申し訳ありません。でも…前に私がお使えしていた方に、あなたはとても良く似ておられます。」
と、フィアネは懐かしげに言った。
「…君はいくつだ?」
前にという言葉に少し違和感を覚えて、
私はそうフィアネに問う。
「あら、老けて見えますか?」
と、くすくす笑ってフィアネが返す。
「いや、15才ぐらいに見えるが…」
「それも失礼ですよ…私は17才です」
…エーラよりも年上だったとは…
エーラも子供っぽい顔をしているが、フィアネ
も負けないぐらい子供っぽい。
「…私が老けて見えそうだな」
と呟くように言うと、フィアネは
「あら、そんなことないですよ。シオン様はとても美しい顔立ちをしてます」
と微笑んだ。