黄金と四聖獣
「ありがとう…君は、ここに一人でいるのか?」
そう聞くと、
「えぇ、私一人です。」
と、フィアネは答えた。
「…フィアネ、私たちと一緒に来ないか?」
「は!?」
それまで大人しくしていたエーラが、私の
言葉を聞いて飛び起きる。
「シオン様、なぜ女を共になど…」
と言うエーラを遮って言う。
「さっき君は言っただろう、私が生きることは、どうしたって争いに巻き込まれると。」
その私の言葉に、フィアネは頷く。
「私はエーラを危険な目に合わせたくないが、ワガママなことに、エーラと共に生きたいとも思っている」
「…そのために、医者が必要だと?」
「…君は勘がいいな」
だが、フィアネは首を横に振りながら言った。
「私はある方をここでずっとお待ちしています。あなたと共に行くことはできません。」