黄金と四聖獣
それから私たちは歩き続け、
西日がさしてきたころ、シオン様が
「ここら辺で休まないか?」
と提案する。
私とエーラはそれに同意したのだが、
ゼンは少し高めの岩を軽々と登って先を見る。
「ここはゴツゴツしてて寝づらいだろ。もう少し先に平らな場所がある。そこまで行くぞ」
ゼンは岩の上から仁王立ちしてそう言った。
ゼンが言った場所まで行き、疲れた身体を
休める。
やっと一息ついた時、
ガサガサと、近くの茂みが揺れた。
「…なに?」
私は、茂みの方を見つめてそう呟く。
すると、「あ」と、ゼンが声をもらす。
ゼンの方を向くと、
「この森にはクマが出るから気をつけろって言うの忘れてた」
と、苦笑いしながら呟く。
ゼンが言い終わったのと同時ぐらいに
茂みから巨大なクマが飛び出した。
「あは…本当に出てきちゃったじゃない、ゼン」
そう苦笑いしながら返すと、
「そりゃ別に俺のせいじゃねぇよ」
と言い返される。