黄金と四聖獣



それから私たちは歩き続け、


西日がさしてきたころ、シオン様が



「ここら辺で休まないか?」


と提案する。





私とエーラはそれに同意したのだが、


ゼンは少し高めの岩を軽々と登って先を見る。




「ここはゴツゴツしてて寝づらいだろ。もう少し先に平らな場所がある。そこまで行くぞ」



ゼンは岩の上から仁王立ちしてそう言った。



ゼンが言った場所まで行き、疲れた身体を


休める。





やっと一息ついた時、



ガサガサと、近くの茂みが揺れた。




「…なに?」



私は、茂みの方を見つめてそう呟く。




すると、「あ」と、ゼンが声をもらす。




ゼンの方を向くと、



「この森にはクマが出るから気をつけろって言うの忘れてた」



と、苦笑いしながら呟く。




ゼンが言い終わったのと同時ぐらいに


茂みから巨大なクマが飛び出した。





「あは…本当に出てきちゃったじゃない、ゼン」


そう苦笑いしながら返すと、



「そりゃ別に俺のせいじゃねぇよ」


と言い返される。







< 220 / 418 >

この作品をシェア

pagetop