黄金と四聖獣
2日後、私とエーラはまだフィアネの所で
世話になっていた。
本当は、もうエーラの怪我もとっくに
治っていたので、出立してもよかったのだが
もう少し、薬草のことなどを覚えてから
ここを出ていこうと思って留まっていた。
フィアネからは、もうすでに色々な役に立つ
薬草を教えて貰っていた。
「じゃあ、今日は傷薬に使う薬草を三種類採ってきてください」
フィアネは、私とエーラにそう言う。
「「はーい先生」」
と、二人して返事をすると、山の方に
歩き出した。
「昨日は東の方に進んでいったから、今日は西の方にいこうか?」
と、エーラに言うと、エーラは頷く。
二人で木々の間を縫うようにして進む。
「あ」
と、私が一声漏らすと、エーラが
「もうあったんですか?」
と驚いたように聞く。
「いや、このキノコすごく綺麗じゃないか?」
と、見つけたキノコを指さす。
「…赤字に黒の斑点って…毒ありますよ絶対」
「え!?こんなに綺麗なのに?」
「薬草探してくださいシオン様」
「…相変わらず頭が固「余計なお世話ですよ」
遮るように突っ込まれ、私は黙って
薬草を探すことにした。
エーラから少し離れて、もう少し木々の間を
進んでいくと、急に開けた場所に出た。
「エーラ!」
思わず、エーラの名前を呼んでしまった。
突然名前を呼ばれ、驚いたようにエーラは
駆け寄ってくる。
「見てくれ、すごく綺麗じゃないか?」