黄金と四聖獣
「えぇ…綺麗ですね…」
と、エーラも同意してくれた光景は
一面に赤い花が咲き誇る、花畑だった。
その中心には小さな祠があった。
この祠のために、こんなたくさんの花が
植えられているのだろうか。
なぜだか…フィアネのために作られた花畑
のような気がしてならなかった。
赤い花ばかりだからだろうか…
「…シオン様…足音がしませんか?」
そのエーラの言葉にはっと我に返って
耳を済ましてみる。
「…100以上はいるか…?」
「こんな山の中に大勢の足音って事は…」
「エーラ刀は?」
「刀と短剣を持ってきてます。」
エーラから刀を受け取ると、いつでも鞘から
抜けるように持つ。
ここでは開けすぎているので、木々の中に
二人で無言で身を潜める。
足音が段々と近づいてくる…。
その時、ガサっと近くの茂みが揺れた。
それと同時にエーラと私は剣を抜き放った。