私の恋は、期限つき
思わぬ新川さんの出現にビックリしていたが、少しして、やっと落ちついてきた。


「新川さんは、なんでここにいるんですか?」

「代理を頼まれて来てるんですよ。けど、来てよかった。安藤さんに会えたから…」

「えっ?それって…」

やっと落ち着いた鼓動がまた早く脈うつ。

「安藤さんは、スミス氏と一緒にいらしたみたいですけど…」

「あっ、あの人は、ちょっとした知り合いで今日、一緒にくるよう頼まれただけです。」


「お付き合いしてるとかじゃないんですか?」

「いえいえ、全然そんなんじゃないんです。」

「そうなんですか?スミス氏は、あんなにハンサムで金持ちで独身ですよ。」

「私には、そういうの関係ないです。条件で好きになるわけじゃないですから。」

そうはっきりと言った私に、少し驚いたようだ。

「たいていの女性が憧れる相手だと思いますがね…」

「私は、憧れません。」

強くそう言った私を見ながら
「安藤さんは、少し変わってますね。」
そう言って微笑む。


ん?変わってるって、褒め言葉じゃないよな。


「でも、そんなとこがかわいいです。」


へ?今度は、かわいいって言われたよ。
かわいいって…

つい顔がにやけてしまう。


「そういえば、食事の約束の返事、連絡してませんでしたね。申し訳ない。」

「い…いいえ、忙しいでしょうから…」

「来週の、土曜日の夜なら空いてます。いかがですか?」


か…顔が…近いです。
< 36 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop