私の恋は、期限つき
着いていった、奥の間には、とても品のよいたおやかな婦人がいらした。

「おや、大我さん。今日もいらしたの。おや、そちらのかわいらしい方は?」


「は、はじめまして。安藤凜と申します。」
あわててお辞儀しながら、挨拶をした。

「お祖母さまに、私の大事な人を紹介したくて連れてまいりました。」

「おや、その方に決めたのね。」

「はい。」

二人の会話についていけない。
決めた?
お祖母さまは、納得してるっていうの?

「あ…あの…大「大我!」」

私の言葉に被せるようにその場にいなかった人の声がした。

振り返るとそこに、迫力のある男性がいた。


「悠我さん、騒がしいですよ。」

「すみません。ですが、大我がここに女性連れで来たと聞きましたもので…」

まるで、品定めをするように見られる。

「お父さん、私の大事な人です。そんなぶしつけな目を向けないでください。」

「あ…安藤凜と申します。」

「ふん、大事な人だと?」


「そうです。」


「こんな小娘のどこがよいんだ?スミスと繋がりがあるようだったから、付き合いを黙っていたが…」

「何を仰ってるんですか?」

「大事なだなんて、気の迷いだ。お前には、ふさわしい相手を用意してある。」

「用意したとか、ものでは、ありません。」

「そんなこと、どうでもよい。そこの小娘の身体にでも、溺れたか?愛人にでもすればよい。」

「悠我さん」
お祖母さまが強い口調で仰った。

「口を出さないでいただきたい。会社にもかかわることなんでね。」


「そんなことばかり、仰って、少しは大我さんの気持ちも「気持ちなんかで会社は、大きくなりません。」」お祖母さまに被せるように言って一息ついたあと。

「お前には、選択の自由は、ない。すぐにでも用意した相手と会うように。」

そう言って、その場を去った。
大我さんに言葉を挟ませないで…
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