V DRIVE
修行の日々が始まった。

とうさん、かあさんは本当に強かった。
ドライブの使い方を一から教えてくれた。
ギアの上げかた、それぞれのギアの使い方。
さらに上のギアの話。
そしてRの話。

修行の時は雲の上の話だと思っていたし、さらに上のギアなんて俺には関係無いと思っていた。
Rなんてものも伝説で、本当にあると思ってなかったので、俺は平凡で自由にとうさんとかあさんと修行できるのがすごくうれしかった。

修行がはじまってから3年がすぎたあたりで、俺も4速までのギアが使えるようになり、とうさん、かあさんには敵わないもののそれなりにはドライブも使えるようになっていた。
その頃からか、キナ臭い噂も広まっていた。

人工ドライブ。

ドライブが使える人はそんなに多くない。
だから、尊重される。
だから、使えない人たちもドライブが使えるようにとNT社が開発していた。


これがあれば誰でもドライブが使える。
ドライバーに成りたいものはこぞってこれに期待した。



後に完成を見せる人工ドライブ。
この時は誰も副作用には関係者以外には知らされていない。
これがあの大戦争の引き金となったんだが。

確かにすごい性能だった。
しかし、それが後のドライバー狩りにつながり、たくさんの人がいなくなってしまった理由にもなってしまう。

そう、あのドライバー狩りであの人、そしてレジスタンスの一つを失ってしまった。

なんのこともない、ただのおっさんだったあの人がまさか、ドライバーに覚醒するとは思わなかった、しかも俺のかけがえのない人になるとか。
あの事を思うと俺は自分が情けなかった。
だから、自分を鍛える旅に出たのだ。
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