好きと言えなくて
結局撮影は続行、本当についてない。


どうしてこんな事になってるのか。


学芸会とか人前で演技なんて、絶対むりだった。


小学校の学芸会とは違うんだよ。


全国の人に見られる訳で、どうしよう?


やっぱりもう一度監督に抗議してみようかな。


今日はクタクタに疲れ、もう何もしたくない。


田城ちひろと話したいのに、逃げられてるし。

喜村マネージャーが、私を田城ちひろと同じ事務所に入るように進めるけど。


絶対入りませんからね。


どうすれば逃げられるの。


「諦めた方がいいよ。あの監督が言う事は絶対だから。」


私はこの業界の人間ではありませんから、監督がどうとか言われても困るんです。

「なぁ、そんなに嫌。」


え、田城ちひろの声に驚いてしまった。


急にこんな事になってしまったんだから、私の気持ちも考えてほしい。


分かった。


綾華の気持ちを聞くからと言われたけど、何から話して良いのか本当は分からないんだ。









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