好きと言えなくて
自分で来たいと言ったのだから、最後まで自分のことばに責任をもってほしい。


ものすごい列に並ぶだなんて、あり得ないと帰ろうとするし。


帰りたいなら帰って下さい。


私は意地でもここにいてやるんだから。


「帰りたければお一人でどうぞ。」


「はぁ、マネージャーの分際で生意気だ。」


みんなが私たちを見た。


ヤバい、田城ちひろだと分かったら、又何を言われるか。


仕方ないけど帰るしかないのかな。


本当に二度と田城ちひろとは出かけない。


田城ちひろの手を引いて、ズカズカ歩いた。


「綾華怒った。」


怒ったと言うより、かなり呆れてます。


イライラするとお腹が減る。


「お腹空いたから帰る。」


おう、焼肉でも食うか。


なんて、のんきな事を言うからどついてやった。


「一人で帰るから。」


「おい、待て!」


知るもんか。


必死に走った。


マンションに帰れるのかなんて、どうでもいい、なんで泣いてるのか分かりたくなかった。


この気持ちは風間智尋の元カノに嫉妬してるだなんて、誰にも知られたくない。


このまま何処かへ消えたいよ。



















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