名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「フレンチトーストにメイプルシロップとかハチミツとかかける? バターだけ?」

「少しかけるつもりだった」

「じゃあ先にサラダとキッシュ食べよう。それでフレンチトースト片方とキッシュ半分交換でどう?」

「ん、いいよ。ケーキは一口交換な」

「うん」


わたしはオレンジとグレープフルーツのタルト。


オレンジの皮をむくと袋状の薄皮に包まれた実が出てくるけど、あの実を半分に切って三角形にしたオレンジを、上下交互にぎっしり敷き詰めてある。


オレンジピールの上にオレンジ、オレンジの上にグレープフルーツ、その上に円を描くようにオレンジを二周のせて、その上にゼリー。


縁から縁まで覆う丸いドーム状のゼリーは、ほんのり色づいているから、きっと甘いんだろう。


ピンクとオレンジをざっくり混ぜたみたいな、淡い二色のセロファン紙を丁寧に重ねたら、きっとこんな色になるだろうな、というような色だ。


そうちゃんはブルーベリーのタルトを選んだ。


ぎっしりブルーベリーが敷き詰められていて、とても美味しそう。


それぞれ注文して、食後のケーキのときにコーヒーを頼んだ。


デトックスウォーターを傾けながら、そうちゃんが聞く。


「今日は何時まで大丈夫?」

「何時まででも」

「や、何時まででもってことはないだろ」


即答したわたしに、そうちゃんが呆れた視線を寄越した。
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