Special coffee, with you.【番外編追加】
コーヒーを飲んだり食事をしたり時々おしゃべりを楽しんだりしていたけど、安藤さんへの気持ちはバレないように努めてきた。

だって・・安藤さんもてるんだもの。

目をキラキラさせてすごく嬉しそうに話しかけたり、『店休日に遊びに行こう』と誘っている人をこの1年で何人も見た。

私がここに来るのはいつも夜だから、そんなに混んでいないこともあって安藤さんと話せるチャンスはいくらでもある。

そのチャンスはもちろんみんなにもあるわけで、ここぞとばかりに声をかけている。

そんな時私は安藤さんの顔が見れなくなる。

カウンターにいてそんな場面を目の前にしながら見ないふりも辛いけど、安藤さんがどんな顔をしているのかを見るのはなんだか嫌で。

もし嬉しそうな表情なんて見てしまったら立ち直れないから。

今のところ彼女はいないと樹里ちゃん情報で知っているけど、いつか安藤さんの心を射止めてしまう人が現れてしまったら・・・と思うと胸がザワザワと落ち着かなくなる。

そうなる前に自分も行動を起こすべきかもしれないけれど、断られてしまったら諦めなくてはいけないと思うと何もできなくて。


やっぱり私はお客の一人でしかなくて・・・密かに想うことで気持ちを満たしている。


美味しいコーヒーを飲みながら、優しい笑顔を向けてもらえることがすごく幸せなことだから、それで充分だって思うようにしてきた。
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