となりの専務さん
「知ってるって言えるほど詳しくはないんですけど」
「好きなメンバーは?」
「ロイですね」
「マジで⁉︎ 俺もだ‼︎」
とたん、木崎さんはさっきまでの無愛想がウソのように、満面の笑みで私を見た。
「好きな曲とかあるか?」
「『peace』ですかね。ノリが好きです。激しいだけじゃなくてさわやかな感じもあって」
「わかる! 俺は『blue』も好き!」
「あ、私もです! あれだけ作詞がロイですよね」
「そう! 普段のジョンの作詞もめっちゃいいんどけどさ、でもやっぱロイの作詞ってのが新鮮で、すげぇー心に染みるっつぅか!」
木崎さんは熱く、そして楽しそうに私にクロックスについて語ってくれた。
私も、周りの友だちでクロックスを知ってる人がこれまで全然いなかったから、クロックスの話ができてとても楽しいと感じた。
なにより、無愛想で近寄りがたかった木崎さんと、こんな風にお話できたことが。仲良くなれそうな気がした。
「……あ、もしかしてその背負ってるの、ベースですか?」
私はふと、木崎さんの黒いバッグに目を向けながらそう尋ねた。
おそらく楽器が入ってるんだろうなって直感したけど、さらにギターじゃなくてベースだと断定して聞いたのは、ロイがベーシストだから。
すると木崎さんは。
「そうなんだよ! 俺、ロイのベースにめっちゃ憧れててさ! 今日も実はこれからスタジオに練習行くとこだったんだ」
そう言ってうれしそうにバッグからベースを取り出してくれた。
「古いベースですね」
私は楽器に詳しくはないけど、たくさん使いこまれているベースだということはすぐにわかった。
「好きなメンバーは?」
「ロイですね」
「マジで⁉︎ 俺もだ‼︎」
とたん、木崎さんはさっきまでの無愛想がウソのように、満面の笑みで私を見た。
「好きな曲とかあるか?」
「『peace』ですかね。ノリが好きです。激しいだけじゃなくてさわやかな感じもあって」
「わかる! 俺は『blue』も好き!」
「あ、私もです! あれだけ作詞がロイですよね」
「そう! 普段のジョンの作詞もめっちゃいいんどけどさ、でもやっぱロイの作詞ってのが新鮮で、すげぇー心に染みるっつぅか!」
木崎さんは熱く、そして楽しそうに私にクロックスについて語ってくれた。
私も、周りの友だちでクロックスを知ってる人がこれまで全然いなかったから、クロックスの話ができてとても楽しいと感じた。
なにより、無愛想で近寄りがたかった木崎さんと、こんな風にお話できたことが。仲良くなれそうな気がした。
「……あ、もしかしてその背負ってるの、ベースですか?」
私はふと、木崎さんの黒いバッグに目を向けながらそう尋ねた。
おそらく楽器が入ってるんだろうなって直感したけど、さらにギターじゃなくてベースだと断定して聞いたのは、ロイがベーシストだから。
すると木崎さんは。
「そうなんだよ! 俺、ロイのベースにめっちゃ憧れててさ! 今日も実はこれからスタジオに練習行くとこだったんだ」
そう言ってうれしそうにバッグからベースを取り出してくれた。
「古いベースですね」
私は楽器に詳しくはないけど、たくさん使いこまれているベースだということはすぐにわかった。