となりの専務さん
「で? そのバンドやってるっていう広香の友だちってどんな人?」
凛くんに送ってもらった地図を頼りに歩いている私のとなりで、大樹くんがそう聞く。
「同じアパートに住んでる大学生の男の子だよ。ちゃんと話したのは昨日が初めてだけどね」
「へぇ〜。そうなんだ。あ、あそこじゃない?」
大樹くんが指差した方に目を向けると、演奏の準備をしている男性たちと、その演奏を待つお客さんと思われる人たちが見えた。
駅から少し歩いたところにある、大広場の一角だった。
「お金もとらない路上ライブなのにあんなにお客さんが待ってるって、お前の友だちってすごいんだなっ」
「そうだね」
私も、正直凛くんたちのバンドにどれくらいのお客さんがいるのかちゃんと考えてなかった。
凛くんはなにも言ってなかったけど、結構人気のバンドなんだろうな!
そのまま歩いて凛くんたちに近づくと、凛くんは私に気づいてくれた。
「広香」
「凛くん」
凛くんの名前を呼んで、彼にひらっと手を振ると、後ろにいた女の子たちから「誰あの女?」「凛のなに?」といった声が聞こえてきて、思わず身震いした。凛くんのファンがいるのか……!
私はただでさえ恋愛関係の事情を察したりするのに疎いし、おとなしくしとこう。
と思ったんだけど、凛くんはベースを持ったまま私に近づいてきて。
「来てくれてよかった。場所、すぐわかったか?」
「あ、あの、う、うん……」
うしろから女の子たちが睨んでくるのが振り返らなくてもわかるよー!
凛くんに送ってもらった地図を頼りに歩いている私のとなりで、大樹くんがそう聞く。
「同じアパートに住んでる大学生の男の子だよ。ちゃんと話したのは昨日が初めてだけどね」
「へぇ〜。そうなんだ。あ、あそこじゃない?」
大樹くんが指差した方に目を向けると、演奏の準備をしている男性たちと、その演奏を待つお客さんと思われる人たちが見えた。
駅から少し歩いたところにある、大広場の一角だった。
「お金もとらない路上ライブなのにあんなにお客さんが待ってるって、お前の友だちってすごいんだなっ」
「そうだね」
私も、正直凛くんたちのバンドにどれくらいのお客さんがいるのかちゃんと考えてなかった。
凛くんはなにも言ってなかったけど、結構人気のバンドなんだろうな!
そのまま歩いて凛くんたちに近づくと、凛くんは私に気づいてくれた。
「広香」
「凛くん」
凛くんの名前を呼んで、彼にひらっと手を振ると、後ろにいた女の子たちから「誰あの女?」「凛のなに?」といった声が聞こえてきて、思わず身震いした。凛くんのファンがいるのか……!
私はただでさえ恋愛関係の事情を察したりするのに疎いし、おとなしくしとこう。
と思ったんだけど、凛くんはベースを持ったまま私に近づいてきて。
「来てくれてよかった。場所、すぐわかったか?」
「あ、あの、う、うん……」
うしろから女の子たちが睨んでくるのが振り返らなくてもわかるよー!