となりの専務さん
「え、なにこれ」
専務は私から紙袋を受け取ったものの、そう答えるだけだった。
私はおそるおそる、ゆっくりと顔を上げて、専務と目を合わせる。
「あの、私、知らなくて!」
「うん?」
「専務が専務だと知らなくて! あぁっ、変な日本語なんですけど、その、まさかおとなりに勤務先の専務が住んでいるとは思わなくて!」
「思わないだろうね、普通は。ていうか俺も言わなかったし、知らなくて当然だと思うんだけど」
「い、言ってください! あ、いや、偉そうにすみません……その、その……」
私がオロオロしていると、専務はこれまで通りと変わらない無表情で、でも言葉はやさしく、「とりあえず中入りなよ」と言ってくれた。でも。
「い、いえ、まさか専務のお宅におじゃまするわけには……!」
「昨日入ったじゃん」
「そ、それはまさか専務が専務だとは思わなかったので…! あぁ、また変な日本語……!」
「いいから、ほんとに入りなよ」
「で、でも……!」
「そこで立ち話される方が困るから」
そう言われ、私はゆっくりと専務のお部屋におじゃました。
昨日とは違う緊張感がある。
専務は私から紙袋を受け取ったものの、そう答えるだけだった。
私はおそるおそる、ゆっくりと顔を上げて、専務と目を合わせる。
「あの、私、知らなくて!」
「うん?」
「専務が専務だと知らなくて! あぁっ、変な日本語なんですけど、その、まさかおとなりに勤務先の専務が住んでいるとは思わなくて!」
「思わないだろうね、普通は。ていうか俺も言わなかったし、知らなくて当然だと思うんだけど」
「い、言ってください! あ、いや、偉そうにすみません……その、その……」
私がオロオロしていると、専務はこれまで通りと変わらない無表情で、でも言葉はやさしく、「とりあえず中入りなよ」と言ってくれた。でも。
「い、いえ、まさか専務のお宅におじゃまするわけには……!」
「昨日入ったじゃん」
「そ、それはまさか専務が専務だとは思わなかったので…! あぁ、また変な日本語……!」
「いいから、ほんとに入りなよ」
「で、でも……!」
「そこで立ち話される方が困るから」
そう言われ、私はゆっくりと専務のお部屋におじゃました。
昨日とは違う緊張感がある。