となりの専務さん
部屋に入ると、昨日と同じようにテーブルの前に座らせていただいた。正面に専務が座る。
「まず。これいらない」
専務は、さっき私から受け取った紙袋を私に返却した。
「えっ、で、でも……! お詫びなんです! 壁に穴を開けてしまったお詫び! いや、相手が勤務先の専務だと知ったから急にお詫びを買ってくるなんてなんだかあれなんですけど……!」
「いや、お詫びならもうもらったじゃん、信玄餅」
「それはそうなんですけど……」
「ちなみにこれ、中身なに? 食べもの?」
「はい。ハムです」
「自分で食べな。借金のある人にこんなものもらっても、うれしくないよ」
表情が変わらないから余計にそう思うのかもしれないけど、専務の言葉にはどこか重みがある。
ほんとに迷惑かもしれない。
私は返却された紙袋をギュッと抱きしめるようにした。紙袋がクシャッと音を立てる。
「……あ、べつに迷惑ってわけじゃないから」
フォローするかのように、専務はそう言ってくれた。声色も、普段よりやさしかった。
……なので私も、素直にコクンと頷いた。
「まず。これいらない」
専務は、さっき私から受け取った紙袋を私に返却した。
「えっ、で、でも……! お詫びなんです! 壁に穴を開けてしまったお詫び! いや、相手が勤務先の専務だと知ったから急にお詫びを買ってくるなんてなんだかあれなんですけど……!」
「いや、お詫びならもうもらったじゃん、信玄餅」
「それはそうなんですけど……」
「ちなみにこれ、中身なに? 食べもの?」
「はい。ハムです」
「自分で食べな。借金のある人にこんなものもらっても、うれしくないよ」
表情が変わらないから余計にそう思うのかもしれないけど、専務の言葉にはどこか重みがある。
ほんとに迷惑かもしれない。
私は返却された紙袋をギュッと抱きしめるようにした。紙袋がクシャッと音を立てる。
「……あ、べつに迷惑ってわけじゃないから」
フォローするかのように、専務はそう言ってくれた。声色も、普段よりやさしかった。
……なので私も、素直にコクンと頷いた。