エリート上司と秘密の恋人契約
どんな条件が出されるのかと緊張で一瞬背筋が伸びたが、タブレットから離れてしまっては何も見えない。

前屈みになって、こっち側に向けられたタブレットを覗く。

諸橋副課長は1とある部分に右手の人差し指を置く。


「えー、まず1。交際期間は4月10日までとする。2、名前で呼び合うこと。3、週末は必ず一緒に過ごすこと。以上だけど、何か質問ある?」


「はい。何で4月10日までなんですか?」


「その日の夜の飛行機でアメリカに行くから」


なるほど。今日は3月5日だから、1ヶ月ちょっとの付き合いということになる。


「名前とは?」


「俺は君のことを美弥と呼ぶから、俺のことは和真と呼んで」


「いえ、あの、副課長を呼び捨てにするのは……


「付き合うのだから、副課長は必要ない。和真でいい」


「はい。分かりました」


努力をしよう。何度も和真、和真と心の中で繰り返して呼べば、自然と出るようになるだろう。多分……。
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