エリート上司と秘密の恋人契約
「あとはない?」


「いえ、あります。週末一緒に過ごすというのは……」


「そのままのとおりで、金曜の夜から日曜の夜までずっと一緒にいるということだよ」


「ずっと一緒に?」


週末を拘束されるということよね?

普通の恋人同士なら当たり前かもしれないけど、私たちは普通とはいえない。

今のところ出された期間に特別な予定はないけど、ずっと一緒にいて何をするのだろう。


「1ヶ月しかないから出来る限り一緒にいたいんだけど」


「そうなんですか」


口から出てしまうのは他人事のような返事。

諸橋副課長のようなかっこいい人にずっと一緒にいたいと言われて、悪い気分にはならないけど、どことなく気が重い。

ずっと一緒にいて疲れないかな。

気疲れしような予感がするのは私だけだろうか。

コーヒーカップに向けていた視線をあげると諸橋副課長と目が合う。

見られていた?


「あの、何か?」


「いや、別に。週末が楽しみだなと思って」


こっちは気が重いというのに、この人は楽しみなんだ……。私も楽しめるように努力をしよう。
< 14 / 232 >

この作品をシェア

pagetop