エリート上司と秘密の恋人契約
「おう! おはよう」


「小沢、おはよう」


荷物が入った袋を運んでいると小沢に肩を叩かれる。


「なあ、もう会ったか?」


「えっ? 誰に?」


「まだならいいんだ。じゃあな」


ファイルを小脇に抱えた小沢は急いでいるらしく手を振って、営業部の課長の元へと走っていく。

一体なんだろう?

さやかさんといい、小沢といい、誰がいるというの?

首を傾げながら歩いていくとまた肩を叩かれて、振り返ると今度は黒坂さんだった。


「星川さん、おはよう」


「おはようございます」


「星川さん、あいつに会った?」


「あいつ?」


あいつとは誰?

え? もしかして……まさか!


「あ、まだなのかな? うん、準備頑張って」


離れていく黒坂さんの背中を見送ってから会場内を隅から隅まで見て、思い付いた顔を探した。

いない。まさかね……いるわけがない。

ニューヨークにいるはずだし。

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